しもデンタルクリニック|歯周病の進行を抑えて自分の歯を長く良い状態で維持したい。そしてそのためにしっかり治療に取り組もうという方はぜひ、しもデンタルクリニックにご相談下さい。極力、ご自身の歯を残せるよう歯周病治療、また歯周病により失われた 歯周組織の再生が見込める部位には歯周組織再生療法を行なってご自身の歯を保存出来るよう治療に取り組んでいます。

精密根管治療

歯内治療(根の治療)

当医院では根尖性歯周炎の予防と治療に力を入れていきます。

歯内治療には抜髄と感染根管治療に分けられます。

1、抜髄とは?・・歯髄炎の治療 

     
う蝕(虫歯の菌)が歯髄(歯の神経)まで達しており、菌の侵入によって歯髄に不可逆性の炎症が生じた場合には原因であるう蝕の除去と歯髄を除去していく。
う蝕のみの除去では歯髄内の細菌が除去出来ず、根管内に細菌感染が起こり、根尖(歯根の先)周囲の骨に炎症がおきて根尖性歯周炎になるため、歯髄の除去も必要となる。

歯髄炎の状態では、細菌の侵入は歯髄内に留まっており、抜髄処置の段階で根管内の細菌を生体に為害性がないよう除去し、その後、根管内を緊密にゴムのお薬で封鎖し、細菌を根管内に埋葬し、根尖周囲に炎症がおこる(根尖性歯周炎)のを予防することが非常に大切になります。

2、根尖性歯周炎の原因は?

根尖性歯周炎の原因を調べた文献があり、以下に要約します。


Kakehasi¹⁾らは無菌ラットと通常のラットの歯に図1、図2のように歯髄まで達する穴をあけて放置しました。無菌ラットは歯髄が治癒しましたが(図1)、通常のラットは歯髄壊死を起こして、根尖に炎症が生じました。
無菌ラットと通常ラットの違いは何か?→ それは口腔内(お口の中)の細菌の有無です。
これより歯髄が口腔細菌に感染すると根尖性歯周炎が惹起されることが証明されました。
今日では根尖性歯周炎の病因はお口の中の細菌であることが常識となっています。

参考文献
1)Kakehashi S, Stanley HR, Fitzgerald RJ : The effects of surgical exposure of dental pulps in germ-free and conventional laboratory rats.
Oral Med Oral Pathol, 20 : 340-349,1965.

3、感染根管治療・・根尖性歯周炎の治療

感染根管とは歯髄炎に継発して歯髄および象牙質(象牙細管)の細菌感染によって根尖に炎症が生じる根尖性歯周炎の状態です。
感染根管治療とは、根管内の感染した歯髄や象牙質を除去することで、根管内の細菌数を減少させ、生体に為害性がないよう除去し、その後、根管内を緊密にゴムのお薬で封鎖して細菌を根管内に埋葬し、自然治癒力(免疫力と創傷治癒力)により根尖歯周組織が治癒に向かう可能性を高めること。

感染根管治療の流れ

① う蝕を放置して細菌が根管内に感染し、根尖性歯周炎になってしまった状態
(治療の流れ)



② 歯内治療後に被せ物までしているが、根管内の治療が不十分であったり、被せ物の辺縁
のう蝕から根管への細菌感染がおこり、根尖性歯周炎がおこった状態

(治療の流れは被せ物を除去後に以前、詰めてあるゴムのお薬を除去し、①に示した治療法と同様に根管内を清掃、殺菌、消毒を行い、細菌数を減少させ、再度、ゴムのお薬を詰めていきます。)


初回の歯内治療(initial treatment)の際に、根管内の細菌数を減少させる事が出来なかったり、被せ物の辺縁からう蝕ができてしまうと、細菌が根管内に多く侵入し、ゴムのお薬がはいっていたとしても根尖に炎症が起こってしまいます。(根尖性歯周炎の状態)

以前、感染根管治療を受けたが、根尖部に炎症が起こって骨が溶けています。(根の先が黒くなっている部位)
再度、根の中を清掃して、ゴムのお薬で根の中を封鎖しました。1年後には根の先の黒い部分が白くなっています。これは溶けていた骨が治療によって再生されています。

(治療前)
噛むと痛くて、体が疲れると歯肉におできみたいなものができる。
レントゲンを撮ると左から2番目の歯根の先が黒くなっており、骨が溶けている状態であった。
(治療後1年)
左から2番目の歯の歯根の黒い部分が白くなっており、溶けた骨が再生して治癒しています。
噛んで痛い症状も無くなりました。

精密根管治療

・根管治療の重要性について

虫歯が神経(歯髄)まで拡がってしまうと、細菌が歯髄の中に入っている状態です。
こうなると細菌の数を減少させるために歯髄を除去し、根管内の清掃を行う抜髄が必要になり、その後に削った部分に詰め物や被せ物を作ります。根管治療の成功率に100%はありませんが、抜髄処置をしっかり行えば、後のトラブルの発生率は少なく出来ます。
しかし、もし根管内の清掃が不十分であれば根の先に炎症が起こり、骨が溶けてしまうと再度、根管治療が必要となります。この場合、感染根管となり根管治療の成功率が下がってしまうため、しっかり根管内の感染源を除去出来なければ、治療後にまた再発し、根管の状態によっては再治療が難しく、また数回の根管治療で歯質も薄くなり歯の長期的な保存(ご自身の歯を長く機能させること)が見込めなくなってしまう事もあります。
以上のことから、根管治療を丁寧に行い、根管の感染源を除去して治療後のトラブルを少なくすることは歯周治療と同様に患者さんご自身の大切な歯の寿命をのばすために大切な治療と考えています。

(治療例)
① 右下犬歯根尖性歯周炎
右下犬歯
(根充時レントゲン)
治療1.年後
治療後(1年後レントゲン )
根尖の透過像が消失している。
② 右下第二大臼歯根尖性歯周炎
右下
治療前レントゲン
根尖に透過像がある
治療1年後
治療後(1年後レントゲン)
根尖の透過像は消失している。

・当院で行う精密根管治療

予後の良い根管治療を行って、ご自身の歯を残す可能性を高めるためしっかり治療時間を取り、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いてラバーダム防湿下でステンレスファイルやニッケルチタンファイルを用いて根管の拡大を行います。再根管治療で穿孔の確認、根尖が著しく拡大されている場合はMTAセメントを使用することもあります。また石灰化の強い根管の走行、根周囲の炎症の広がり、根尖の治癒を確認するために必要であればCT撮影を行います。

① 十分な時間を確保して治療を行います。

ラバーダムを歯に装着して根管内の汚れがないかマイクロスコープを用いて細かい部分を確認しながら治療を行っていきます。
1回60分から予約を取り丁寧な処置を行えるよう体制を整えています。

② ラバーダムを使用して唾液からの感染を防ぎます。

根管治療では根管内の汚れ、感染源を可能な限り除去する事が重要です。
その際、細菌が多くいる唾液が根管内に入ってしまうと治療が上手くいきません。そのためにラバーダム防湿を行い、歯とお口の中を隔離することで唾液からの感染を防ぎます。

ラバーダム

③ マイクロスコープを使用して根管治療を行います。

根管治療は根管内をより無菌的にすること(汚れをしっかり取る)で治療の成功率が高まります。
裸眼では見えにくい根管内の細かい部位をマイクロスコープで最大20倍まで拡大した視野で感染源を確認し除去していきます。

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
マイクロスコープ

④ ニッケルチタンファイルを使用して根管形成を行います。

連続的なテーパー形成 根管内に洗浄液がいきわたるよう、適切なテーパーが付与できる
根尖孔を壊さない 根尖孔とは根管の出口で必要以上に拡大すると、治療の成功率に影響してしまう
根管の本来の形態に追従した機械的拡大が可能 根管の元々の形態が崩れてしまうと根管治療の成功率が下がってしまうため根管のオリジナルの形態を維持することは重要だと考えます。

ニッケルチタンファイルニッケルチタンファイル
※患者さんの治療毎に新品のファイルを使用してより無菌的に切れ味の良いファイルを用いることでファイルが折れないよう配慮して治療を行っていきます。

⑤ 歯に穴があいて歯周組織と交通した部位の修復を行います。

(パーフォレーションリペア)
治療時の偶発症などで根管内に穴があいて歯周組織と交通した部位に細菌が感染してしまうと骨の吸収が起きてしまいます。その部位を封鎖するために生体親和性の高いMTAセメントで穴を封鎖(パーフォレーションリペア)していくと予後が良くなります。
※パーフォレーションは歯周ポケットと交通する前に封鎖をすると予後が良いです。

⑥ 難治性(治りにくい)の根尖病変の場合、外科的な歯内治療(歯根端切除術、意図的再植)を行います。

根管治療はラバーダム防湿下でマイクロスコープを用いて時間をかけて丁寧に治療を行うことで治療の成功率を高めることは出来ますが、治療をすれば100%治るというわけではありません。
(下記の治療の成功率を参照)

治療の成功率

① 神経を取って初めて治療する歯 90%以上
② 神経が死んでいるが、初めて治療する歯 80~90%
③ 再治療で根の先に膿がたまっていない場合 70%
④ 再治療で根の先に膿みがたまっている場合 60%
⑤ 再治療で根管の形態が繰り返しの治療により破壊されている場合 40%

本来の根管の形態が過去の数回の治療で崩れていたり、また根管のメインの通り道(主根管)以外にもマイクロスコープでも見えない横に枝分かれした(側枝)も存在するため、そこに細菌が住みついて根管の清掃が上手くいかない。
そして、まれに根の外に感染源(根尖孔外感染)があると根の中からの清掃が奏効しないこともあります。
このような場合は外科的に歯肉を開いて根の先の感染源を除去(歯根端切除術)、あるいは一度、歯を抜いて根尖の感染源を除去して再度、抜いたところに歯を戻す方法があります。(意図的再植)
     
※外科的歯内療法は適応条件があるため、歯の状態をみて治療が可能か判断していきます。

⑦ 精密根管治療の費用について 

患者さん一人にかける時間や治療の器具、材料のコストは保険治療で賄える範囲を大きく超えているため保険診療では行っておらず自由診療となっております。

前歯、小臼歯 (抜髄、感染根管治療) 60000円
大臼歯 (抜髄、感染根管治療) 70000円
外科的歯内療法 60000円
歯台築造 直接法 5000円
歯台築造 間接法 10000円
パーフォレーションリペア 5000円

祝祭日
午前診療
(09:00∼13:00)
× × ×
午後診療
(14:00∼18:00)
× 14:00~
17:00
× ×
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