歯周病は糖尿病、心疾患など様々な病気との関連性が報告されています。ここでは歯周病と関連のある全身疾患について説明します。
1、糖尿病
糖尿病は網膜症や腎症など様々な合併症を引き起こすことが知られていますが、歯周病もその合併症の1つです。近年、歯周病に対する糖尿病の影響が研究されていますが、その結果、糖尿病を患うと、歯周病になりやすく、歯周病が重症化する頻度が高いということがわかっています。
また、歯周病にかかっている糖尿病患者で血糖コントロールが不良な場合は歯周病の治療をしても、治療効果が出にくいこともわかっているので、内科の先生と連携して治療が必要となります。「歯周病の治療をすると、糖尿病の HbA1c が改善する」という研究結果も報告されていますが、改善しないことも報告されており、今のところは歯周病が治れば糖尿病の状態も必ず良くなるとは言えないようです。
しかし、歯周病にかかっている糖尿病患者において両方の治療を行うことは双方に良い影響があるのは確かなようなので総合的に治療を進めることが推奨されています。
2、心血管系疾患
重度の歯周病にかかっているとお口の中の歯周病原細菌が血液にのって運ばれ、体の他の部分に血栓を作り、アテローム性動脈硬化症や心筋梗塞などの心血管系疾患になる確率が健常者の3倍であることが報告されました。しかし、現在も臨床的な研究が行われていますが、双方の病気に関係はあるようですが、直接的な因果関係を見つけるのは難しいようです。2009年にアメリカ心臓病学会が出した見解は、この2つの病気の関連を強く疑うので、内科的な治療と歯周病の治療を両方行うことが推奨されています。
3、呼吸器疾患
高齢者で歯周病に罹患していると誤嚥性肺炎のリスクが高まると報告があり口腔内のケアが推奨されていますが、口腔内細菌に起因する誤嚥性肺炎と加齢との関係を調査した研究が少なく、現在のところ、歯周病と肺疾患の関係を示した決定的な根拠を見つかっていないようです。
4、早産、低体重児出産
妊娠37週以前の出産、出生時に2500g以下の乳児を出産する確率が歯周病患者の場合は、4-7倍の確率で起こることがアメリカの研究で報告されています。その原因は、歯周病による免疫反応が出産を促すと推測されていますが、最近の研究では必ずしもその関係性が証明されていないので、歯周病患者の場合、早産や低体重児出産の可能性が高いかもしれないという解釈になっています。
5、骨粗鬆症
歯周病と骨粗鬆症との関係を示した研究によると、骨密度の低下と歯の喪失と関連があるようです。骨粗鬆症治療薬の服用で歯周病の進行も遅くなるという研究も報告されています。
しかし、歯周病治療において外科的な治療が必要なものもあり、ある種類の骨粗鬆症の治療薬は外科治療の治りを阻害するものがありますので、どのような骨粗鬆症の薬をいつごろから飲んでいるのかを歯科医師に伝えることが大切です。
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